煙管の語り場

此処をキャンプ地とする

AC4 考察 コジマに対する違和感

自分の見解と、資料集やアーカイブで解禁された話を材料にして、シリーズ通しての考察なので、個人的な感想もあるけど、ネタバレ全開なので注意。
ゲームをプレイした人の中でも、全てのストーリーを把握しているのは数割にも満たないと言っても過言ではないので、判明した事実や推測できる事柄は、可能な限り解説したいと思ってます。理解が追いつきにくい作品なのは、決してプレイヤーのせいではないと断言しておきます。

 

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国家から企業による時代へ

水素吸蔵合金が開発されてる程度には近未来、宇宙進出できていない程度には現代に近い時代。テロや暴動やらの世紀末、統治能力を失った国家に代わって、国家解体戦争を起こす企業達。この荒れ果てた世界を、俺達が何とかしてやると国家にケンカ売ったのが企業。

この戦争において、企業の勝利を掴ませたのが新型ACであるネクストAC(Next AC)

この兵器としての特徴並べてやると

① コジマ粒子という粒子をバリア状にして装甲にしたプライマルアーマー(PA)
② 大量のエネルギーを消費して推力を生むクイックブースト(QB)
③ コジマ粒子を利用して高速巡航するオーバードブースト(OB)
ネクストの持つ火力はどれも致命傷、通常戦力の火力はPAで無効化。さらにはQBで火力を当てるのも困難。OBの存在で追う側としても逃げる側としても絶対的有利。

そんな超兵器が26機も企業側戦力として投入されるという無理ゲーで、国家は壊滅して企業支配体制が確立されました。

この辺は流れを掴んでると思います。
そして、このネクストを製造したのが六大企業、

GA (Global Armaments)  ※GAヨーロッパ=GAE

BFF (Bernard and Felix Foundation)

インテリオル (INTERIOR) ※企業連合を組んでいたレオーネメカニカとメリエスがfaで合併しましたが、大差ないので彼らはこの表記とします。

オーメル (OMER Science Technology) ※認知度の高いローゼンタールが盟主だが、実質は傀儡政権。

レイレナード=アクアビット(Rayleonard=Akvavit)

イクバール (Eqbal)※現アルゼブラ (ALGEBRA)

ネクストAC開発、機体制御技術は、コロニー・アスピナとコロニー・アナトリアが関わっています。

そして、コジマ技術とは、その名の通りコジマ粒子を利用した技術。コジマ粒子は緑に輝く粒子で軍事用途に幅広く使える。レイレナード=アクアビット、オーメルはこのコジマ技術の独自開発に成功したという企業で、コジマ技術が無いとネクストは作れないという事で大変重要な企業群。この三社は、他の企業にコジマ技術を流し、協力してコジマ兵器の開発に力を注ぎました。

彼らが上手いのは「コジマ技術を使った製品を販売しても、コジマ技術自体は売らない」というやり口。例えば、内装のジェネレーター元祖はレイレナードだが、技術に関わる基幹部品はブラックボックスとなっていて他企業では解析不能としている。
つまり、彼らが部品を売らなければ、他企業のネクスト製作が進まないのである。  

機体の部品によって製造企業が偏っているのは必然でした。
当然、レイレナード=アクアビットとオーメルの主導権争いは熾烈化。
この争いがリンクス戦争に繋がった。

原因は他にも色々あるが、これが最も大きいものの一つと言えます。

 

話を戻すと、ネクスト開発でもう一つ重要だったのが、企業に属さぬアスピナ研究所とアナトリア研究所。彼らはネクストの中身、特にAMS→IRS→FRS→ACSというネクストの機体制御に関わる部分を主に研究しており、噛み砕いて説明すると、操縦者から送られる情報を解釈させ、機体レベルで最適化。挙動の命令を各パーツへ伝達させ、それをまた各部レベルで最適化。それを物理的に稼働させて動くという。

つまり脳波コントロールできる。

この操作技術も彼らが生んだ。当然、コジマ粒子技術の塊であるネクストは使ってるだけでどんどん身体が汚染されていく。AMS適正が高いならばともかく、低い者の大半は負荷で頭がおかしくなって死ぬ。当初の26人というのは、ネクストが秘匿してきた兵器数ではなく、それ以上に操縦者であるリンクスを確保できた数を表してると言えるのでしょう。

 

新物質の緑の粒子

ここから本題と言っても過言ではない、第一の疑問。
まず、この世界において解明されていない、最大の謎だったのがコジマ粒子。コイツは気味が悪い存在でした。新物質、新粒子の発見はまだ解る。問題は新物質に対する「制御技術」の流れ。科学というのは積み重ねであり、新しいモノは地道な研究の末、既存技術の延長上にある。

新たな技術の塊が脅威となるとき、決まって技術としての進化の系譜ができていたのだ。(ACNX排除君→ACLRパルヴァライザー等) 

発想の転換から新技術が生み出されることもあるが、既存の流れから逸脱した物が出来るのは通常有り得ないはずなのだ。仮に、コジマ粒子の発見が偶然だとしても、その技術体系としてレイレナードの初期ジェネから、各企業がジェネレーターを自社製品のものとして、改良を加えて手中にしているので流れに沿っているとしよう。

しかし「制御技術」はそれが通用しない。

本当なら、発見された物質は机上で存在証明して、実在を確認。その実用化に向けてローコストで容易な制御方法を研究して、製品にしていくものだ。しかし、このコジマは、いきなり「ネクストという唯一無二の兵器」として姿を現した。

つまり「完全な製品」で現れたのだ。

製品と言っても、新技術は大型のモノでの運用実績を元に、徐々に小型化されていくはずだ。そんなネクストの先駆けになるような他の実験兵器は見当たらず、それどころか「プロトタイプ・ネクスト」という新技術の塊みたいなのが出てきている。

プロトタイプという名を冠しているから、勘違いしやすい点ですが、順序としてはネクストAC→プロトタイプネクスト」です。既存ネクストACの更なる試作品であって、先駆者的な実験機は登場していませんでした。

コジマ技術の先駆けとなったであろう「ネクストACの先祖」は、4系統の作中では語られていない。存在しないのです。

 コジマ技術は「発電施設の動力源 (BFFのスフィア施設)」等に応用されていますが、元々BFFもコジマ技術に後れを取っていたからこそ、レイレナードから製品を買い取ってこぎつけた技術なので、ネクスト登場以降の産物でした。 

このように歴史を感じられない。ロマン以前に科学的視点だと気持ち悪い存在でした。
お手本でも見ながら頑張って作ったんでしょうかね。 

曰く国家解体戦争の7年前に発見された新物質。発見者の名前を取ってコジマ粒子と命名された。

7年でネクストという完全な製品でコジマをモノにして、国家との戦争にて勝利を掴んだ企業。そうなると、コジマという粒子を発見した研究者の行方や、ネクストに関する第一人者であるというイェルネフェルト教授が気になります。

しかし、4の物語開始時点では既に亡くなっているので一切不明。まるで時代の進歩を後押ししたような、技術の歴史上にある異物。誰がどう使おうと人の手に余る代物。
それがコジマ粒子でした。