煙管の語り場

此処をキャンプ地とする

AC4考察 ストーリー解説 後編 誰がために鐘は鳴る

コロニーアスピナ。AMS研究の最先端を行くコロニーで、アナトリアの技術を持ち逃げした連中の亡命先。そこが傭兵業を始め、最初期のAMS被献体であるジョシュアをリンクスとしたのだ。HARD準拠だと17人ものリンクスを撃破した4主。その彼に匹敵する存在こそがアスピナの白い閃光、ジョシュア・オブライエンでした。

アナトリアの傭兵の終盤の戦績として、

多くの企業がコジマエネルギー施設のスフィアの奪取を目論んだが、彼らによって退けられていると述べられるほど強力なBFFの精鋭部隊「サイレントアバランチその撃破に加えて、同施設を防衛していたウォルコット兄妹の撃破。その後も、GA社の観測衛星を狙ったとされるレイレナードの衛星軌道掃射砲エーレンベルクを強襲し破壊。

GAEとアクアビットが生んだ巨大兵器ソルディオスをジョシュアと共に撃破。No03 アンジェを正々堂々の一騎討ちで撃破。

まさしくレイレナード=アクアビットの悪夢と呼べる存在でしたね。

そしてついにリンクス戦争の決戦が訪れる。

 

レイレナード陣営の最精鋭ネクスト部隊

No01 ベルリオーズ

No11 ザンニ

No15 アンシール

No21 P.ダム

この四名と交戦しているオーメル陣営ネクスト部隊の救援に向かったアナトリアの傭兵は、これを撃破。レイレナード陣営のネクスト戦力はここで完全に崩壊する。その後、レイレナード本社をアナトリアの傭兵が、アクアビット本社をジョシュア・オブライエンが破壊。リンクス戦争は両社の崩壊によって決着した。

各地に活動していたBFF残党関係の依頼も後半には無かった為、この頃には駆逐されていると思われる。二人の傭兵の働きがオーメル陣営に勝利をもたらしたと言っても過言ではない。そして最後のどんでん返しであるイミフな事件が発生する。

まず、プレイヤーにとって空白の時間をいったん整理してみよう。

→リンクス戦争終結

→フィオナが主人公の休息を求めた

→指導者のエミールがそれを了承。

彼曰く甘かった、と言えばそれまでだ。都合のいい恐怖は世界の常であるというのに。

→突如としてプロトタイプ・ネクストのアレサに乗ったジョシュアがアナトリアを強襲。

アナトリアは破壊、汚染される。

→出遅れながらも現場に到着し、迎撃に出た主人公がジョシュアを撃破。

(オーメル所属のNo.06のセロが現れ、主人公はこれも撃破する)

→二人は汚染されたアナトリアを後にし、アナトリアは滅亡する。

※滅亡に関しては、粛清で滅んだのか、それともしばらくして様々な要因が重なって滅んだのかは不明。

資料集曰くアナトリアの傭兵が出撃するも、間に合わず大半を破壊され、重度のコジマ汚染を受けてしまったとある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、無茶苦茶話が飛びましたよね。


ここでの問題はアナトリアが滅んだことではないです。

誰が何のためにどうやって滅ぼしたということでした。


このアナトリア粛清は「オーメルが図った」「企業の総意をオーメルが実行」と言われており、少なくともファンの間ではそういう認識で間違いないと思います。

資料集曰く、この事件の背後にいたのは、アスピナと関係の深いオーメルだろうか。

ただ、一社の独断ではなく、戦争の勝者であるGA陣営の総意が働いたと見ることもできる、らしい。

これがどういう意味なのかを紐解きましょう。

とりあえず、アスピナとオーメルのリンクスが関わっている。こいつらは間違いなく黒でした。セロは企業専属のリンクスであり、オーメルの切り札が独断での行動と考えるのは流石に無理があります。


問題は、fa時代のアスピナは立派な変態技術者として認知されるほど、情報が出ているのにも関わらず、4時代の彼らの記述が非常に少ないという点でした。fa企業説明文曰く

独立した研究機関だが、その運営資金のほとんどはオーメルによって提供されており、実質的にオーメルの研究機関として扱われている。

4時代でもこの関係が同様であれば、実行したのは実質オーメル単独という事になりますね。しかし、いつからオーメルとここまで深く繋がっていたのか?

これを明確に記している記述はなく、故に作中と資料集から丁寧に読み解いていくしかありません。この粛清がオーメル単独によるものというのが有力ですが、コロニー・アスピナとの関係が「昔から懇意にしていた間柄」としたら、話は大きく違ってきます。
アスピナの歴史として、AMSの先端研究機関であることで知られており、よく説明されるアナトリアの技術が持ち去られたというのも、資料集ではAMS技術はアスピナ、IRS/FRS技術がアナトリア研究所によって研究、開発されていると明記されています。


説明したように細かく言うとキリがないので、分かりやすくAMSという言葉で括ったのかは不明ですが、これは間違いないです。ともかく、どちらのコロニーも、経済基盤を技術情報取引に依拠しており、AMS/FRS/IRS技術も商品として販売されている。
アナトリアが技術を盗まれるまで繁栄していたと考えるならば、アスピナもある程度栄えていたと考えていいですね。

ならば言ってしまえば、技術を持ち逃げされて追い込まれたアナトリアと異なり、アスピナはわざわざ傭兵業始めるほど苦しい立場に追い込まれていませんでした。 それどころか、アナトリアの技術を吸収して、最先端を一手に担う一大研究機関に成長しています。

ここまで興味を持って読んでくれたリンクスの皆さん御存じである、我らが穴もといフラジールのCUBE君。fa時代で彼らがリンクスを投入するのは説明文のように「データ収集」が目的とされていることから、ジョシュアも同様だろうと考えるでしょう。

ただ、そういった理由でジョシュアに傭兵業を始めさせたとは断言できず、また具体的な理由も、作中や資料集でも一切確認が出来ない。ただ、傭兵業の始めたのに近い記述として資料集曰く

コロニー・アスピナがオーメルの秘密裏の支援を受けて、世界で2番目のネクストを駆る傭兵を所有した

 ここから読み取れる事実として

最初期のリンクスであるジョシュアの存在と、アスピナはオーメルと元より近い関係にあったこと。

そして、アスピナの傭兵業はオーメルの意を受けているということだ。

もうこれでアスピナは事実上オーメルの研究機関だった、と結論付けていいのでしょう。しかし、そう決めつけるのはまだ早いです。

実はこのジョシュア・オブライエン、

レイレナード陣営の依頼も受けているのである。

さて、ジョシュアが尻軽なせいで、何が何だか分からなくなってきましたね。HARDの内容ではありますが、レイレナード陣営に参加しなくなるのはリンクス戦争開戦後の話です。

それまで敵の刺客としてアナトリアの傭兵に襲い掛かった事は一度や二度ではありませんでした。そしてアナトリアの傭兵の敵に回るということは、彼も陣営がコロコロと変わっているのだ。

顕著だったのが通常プレイ時とHARDだと敵味方が反対の立場になる
アマジーグ戦→味方ならGA 敵ではマグリブ≒BFF、イクバール
シェリング戦→インテリオル陣営。メアリー戦は未登場。


これほど金を積まれれば誰の依頼でも受ける傭兵らしい人物は、

主人公を除けばシリーズでも珍しいといえます。 

かと言って好き勝手望んでやっているわけではなく、アレサ戦でも「私もすぐ逝く…責めはそこで聞こう」と吐血しながら囁いてくれたり、本人は仕事人でしかないです。
また、最終決戦時にアスピナはこれで最大戦力を失う事を承知して、ジョシュアを送り出したという事になります。このプロトタイプネクストはレイレナードが所有していたもので、よく見てみるとアリーヤとかと似通っている部分が幾つかあります。これが最後の仕事だと盛大に見送ったわけです。

ところがぎっちょん

続編で登場するジョシュアの再来と呼ばれたアスピナ出身のリンクス、ジュリアス・エメリー。彼女の存在があるが、なんとリンクス戦争末期にレイレナードに合流しているとある。

正直この記述に疑問を抱かなかったが、よく思い返してみるとおかしな話でした。

リンクス戦争末期とは、敵対するレイレナード陣営が崩壊している時期。つまりアナトリアとアスピナの傭兵が「オーメル陣営の戦力基盤」になっていた時期なのだ。

このアスピナの動向は、どう説明すべきか。

整理してみると分かっていることは、経済戦争以前からオーメルと一定以上の関係があった事。これはアスピナが傭兵業を始めるのに、オーメルが支援していた事も明らかでした。リンクス戦争以前からオーメルとアスピナがある程度の関係にあり、研究をアスピナが任せられてたのは間違いない。にもかかわらず、非オーメル陣営からの依頼も受けているのは、当時のアスピナがある程度独立して動けていたことを示している。

確かに影響下にあったが決して傀儡ではなかったという事ですね。

傭兵業開業からリンクス戦争開幕まで彼らは、オーメルと関係が深いが独立した勢力であり、そのアスピナがリンクス戦争ではオーメル陣営に落ち着いた。

その中で、ジュリアスがレイレナードに加入して離脱するという事態。

考えられるのは、内部分裂による離脱者。つまり、オーメルに与するのを良しとしないグループによるものである。ジュリアス自身もオーメル陣営を嫌ったとしての結果。

もう一つの考え方として「生き残り戦略」もあります。

これは、オーメルとレイレナード、どちらの陣営にも戦力を提供してどっちが戦争に勝っても戦後、アスピナがある程度の地位を確保して生き残れる様にするというものです。しかし、リンクス戦争の大まかな流れは、

→最初期は戦力充実しているレイレナード陣営優勢。

アナトリアの傭兵とジョシュアの功績で時間が経つにつれて戦況が傾く

→レイレナード陣営の最精鋭ネクスト部隊の壊滅で雌雄決する。

ジュリアスを送るタイミングとしてベストなのは早期の内であり、わざわざ終盤の混乱期に合流する意義は薄い。この説はいささか無理がある。となると、政治的配慮という可能性は極端に薄くなる。

何故なら政治的配慮でレイレナードに合流したのなら戦後にアスピナに帰還、もしくはそのままオーメルに吸収されれば解決するのだ。しかし彼女は、むしろレイレナードの亡霊であるORCA旅団に合流した。

ならば、アスピナが内部分裂を起こしたと考えるべきでしょう。

アスピナは上手く立ち回った結果、企業からも融通の利く相手として、片方のイレギュラーである「ジョシュアを使い潰す選択」によって、生き残れたという結果でした。 

加えて、ジョシュアの搭乗機「ホワイト・グリント」の機体設計は天才アーキテクト「アブ・マーシュ」後のfaで登場するワンオフ機「ホワイト・グリント」も共に設計している事実が明かされました。

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WGエンブレムの元ネタ「古代エジプト神の1柱、ホルスが持つ目。特に左目は別名「プロビュデンスの目、ウジャトの目」全てを見通す万能の目、再生のシンボル」

ここで見るべきなのは、彼がアスピナに所属していた人間であり、企業と敵対するラインアークに合流しているという点。使い捨てにされたジョシュアの機体を設計した人物であるということ。

アスピナに何があったのかは想像に難くありません。

彼らの思惑としてはこんなところです。

この問題で最後の疑問と言えば、オーメルがアナトリアの傭兵に勝てる算段を立てたなら「他企業も勝ち馬乗りを狙ってネクストの一機ぐらい派遣してくるのでは?」という点ですが、オーメルが勝ちを確信してアナトリア粛清をそのまま成功した場合、当然オーメルは戦後政治の主導権を握るのでした。

GAもイクバールも、はたまたインテリオルも、自分らでやろうとするとリスクが見合わないが、オーメルが成功を確約してくれるなら勝ち馬に乗りたいのが正直なところでしょうが、生き残ったリンクスも希少であり、ロクな戦力を出せない事実。そんな虫の良い話を、オーメルが許さなかった結果かもしれませんが、これはfaでも尾を引く話でもあると言えるでしょう。

結果、オーメルは自社の最強戦力であるセロを増援として投入しましたが、アナトリアの傭兵によって撃破されました。

 

レイレナード残党は地下に潜り、ORCAとしてかつての理想の実現を目指す。アクアビットとGAE残党は合流してインテリオルに保護され、トーラスを設立。インテリオルはトーラスによってコジマ技術力を高め、単独グループとして変革。BFFはGAの支援で復興し、GAはBFFを配下につけて、世界最大規模のGAグループを作る。

オーメルはネクスト戦力を失ったが政治力を発揮、企業間政治の主導権を握ることに成功。イクバールはアルゼブラと名を変え、オーメルとの同盟を継続。

こうして、後の三大企業の構図へと変化した。

 

アナトリアの傭兵とフィオナは崩壊したアナトリアを去り、

後に非企業勢力の聖地ラインアークの英雄となる。

一方、オリジナルリンクス No.16 霞スミカはインテリオルを去り、

後にリンクス候補を拾い上げて育成。いたいけな少年と蜜月時代を過ごす。

そうして時が流れ、faの時代に続いていく。

※お待たせしてる方々には申し訳ありません。執筆遅れていますが、2020年6月現在そのうち更新します。